猫の膀胱結石は膀胱内にミネラル結晶が蓄積して固まった石で、ストルバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)とシュウ酸カルシウムが全体の約80〜90%を占めます。血尿・頻尿・排尿困難が主な症状で、特に雄猫では尿道閉塞(尿が全く出ない状態)に進行すると命に関わる緊急状態になります。適切な食事管理と定期検査で予防・再発防止が可能です。

緊急サイン:すぐに病院へ

  • トイレで長時間しゃがんでいるのに尿が出ない(尿道閉塞):24時間以内に命に関わる
  • ぐったりしている・嘔吐が続く:尿毒症の可能性
  • 腹部を触ると痛がる・触れさせない

主な症状

  • 血尿:ピンク・赤い尿。砂のような粒が混じることがある
  • 頻尿:トイレに何度も行くが少量しか出ない
  • 排尿時の痛み・鳴き声:排尿しながら声を出す
  • トイレ以外での排尿:トイレに関連付けた痛みの記憶から別の場所で排尿しようとする
  • 陰部をなめ続ける

結石の種類と違い

種類割合特徴・治療
ストルバイト結石約50〜60%細菌感染・高pH尿で形成。食事療法で溶解可能
シュウ酸カルシウム結石約30〜35%高齢猫・中高齢猫に多い。食事で溶けないため手術が必要
その他(尿酸塩・シスチン等)約5〜15%猫種・代謝疾患が関連

診断

  1. レントゲン・エコー:結石の位置・大きさ・数を確認。シュウ酸カルシウムはレントゲンで写りやすい
  2. 尿検査(尿pH・結晶の確認):結石の種類を推定
  3. 尿培養:細菌感染の有無(ストルバイトは感染と関連)

治療方法

  • 食事療法(溶石食):ストルバイト結石は尿酸化処方食(ヒルズs/d、ロイヤルカナン溶石サポート等)で2〜4週間での溶解が可能
  • 膀胱洗浄・尿道カテーテル:閉塞の解除。緊急処置として実施
  • 膀胱切開手術(膀胱切石術):シュウ酸カルシウムなど食事で溶けない結石を外科的に摘出
  • 尿道切開術(会陰尿道造瘻術):繰り返す尿道閉塞のある雄猫で実施することがある

治療費の目安

項目費用目安
初診・レントゲン・エコー・尿検査10,000〜20,000円
尿道閉塞の緊急処置・入院30,000〜80,000円
膀胱切開手術60,000〜150,000円
処方食(月額)5,000〜12,000円

予防のポイント

  • 十分な水分摂取:常に複数箇所に新鮮な水を用意。ウェットフードの活用で水分補給
  • 泌尿器サポート処方食・下部尿路ケアフード:再発予防に有効
  • 定期的な尿検査(年1〜2回):結晶の早期発見
  • 肥満の予防:肥満は尿路疾患のリスク因子

まとめ

  • 膀胱結石の主な種類はストルバイト(食事療法で溶解可)とシュウ酸カルシウム(手術が必要)
  • 雄猫の尿道閉塞は24時間以内に命に関わる緊急状態
  • 血尿・頻尿・排尿困難は早めに受診するサイン
  • 水分摂取増加・処方食・定期尿検査で再発を予防できる
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