猫の脱水症は、体内の水分量が必要量を下回った状態です。猫はもともと砂漠起源の動物で水を自ら積極的には飲まない習性があり、嘔吐・下痢・発熱・食欲不振などが重なると急速に脱水状態になります。軽度であれば自宅での対応も可能ですが、中等度以上の脱水は命に関わるため、速やかな獣医師の診察が必要です。脱水のチェック方法と対処のタイミングを知っておくことが大切です。

脱水症とは?

脱水とは、体液(水分と電解質)の喪失が補給を上回り、体内の水分バランスが崩れた状態です。猫の体重の約60〜70%は水分で構成されており、体重の5%以上が失われると脱水症状が現れ始め、10%以上の脱水は重篤な状態とみなされます。

脱水の原因

水分喪失の増加

  • 嘔吐・下痢:消化器疾患・中毒・感染症など。急速な水分喪失が起きる
  • 発熱:体温が高くなることで不感蒸泄(皮膚・呼吸からの水分喪失)が増加する
  • 多尿:腎臓病・糖尿病・副腎皮質機能亢進症などで尿量が増える
  • 出血・外傷:大量出血による体液喪失

水分摂取の減少

  • 食欲不振・食事量の減少:ウェットフードの割合が減ると水分摂取量が落ちる
  • 痛み・ストレス:飲水行動が低下する
  • 嚥下困難:口腔内の病変などで水が飲みにくい

脱水のチェック方法

自宅でできる脱水チェックを覚えておきましょう。

皮膚テンション(ツルゴール)テスト

首や背中の皮膚を軽くつまみ上げて離したとき、すぐに元に戻れば正常です。戻りが遅い(1〜2秒以上)場合は5%以上の脱水が疑われます。4〜5秒以上戻らない場合は重度の脱水の可能性があります。

口腔内・歯茎のチェック

正常な歯茎はピンク色でしっとりしています。歯茎が乾燥・白っぽい・粘つく感じがある場合は脱水のサインです。

眼球のチェック

重度の脱水では眼球が眼窩内に沈み込んで見える(眼球陥没)ことがあります。

脱水の重症度

  • 軽度(~5%):明確な症状が出にくい。飲水量が少ない・尿量がやや減少
  • 中等度(5〜8%):皮膚テンションの低下・歯茎の乾燥・元気消失
  • 重度(8〜10%):眼球陥没・皮膚テンション著明低下・ぐったり
  • 最重度(10%以上):ショック・意識障害・生命の危険

受診の目安

  • 嘔吐・下痢が1日に3回以上続いている
  • 24時間以上水を飲んでいない・ほとんど飲まない
  • 皮膚テンションが戻らない(2秒以上)
  • 歯茎が乾燥・白くなっている
  • ぐったりして起き上がれない(緊急)
  • 24時間以上排尿が確認できない(緊急)

動物病院での治療

輸液療法(点滴)

中等度以上の脱水の第一治療は静脈内点滴(IV輸液)または皮下点滴です。電解質バランスを整えながら失われた水分を補充します。重度の場合は入院が必要です。

原因疾患の治療

嘔吐・下痢・腎臓病など脱水を引き起こした原因を同時に治療します。制吐薬・抗下痢薬・抗生物質・腎臓サポートの点滴など原因に応じた対処が行われます。

治療費の目安

  • 診察・血液検査:8,000〜20,000円程度
  • 皮下点滴(通院):3,000〜8,000円/回
  • 静脈点滴・入院(1日):15,000〜40,000円程度

自宅での予防・ケア

飲水量を増やす工夫

  • ウェットフードを取り入れる:ドライフードのみの場合より水分摂取量が大幅に増える
  • 水飲み場を複数設置する:猫は好みの場所・容器があるため、家の複数箇所に置く
  • 流れる水を好む猫には自動給水器を使う
  • 水の温度・鮮度を保つ:常温〜ぬるめの新鮮な水を好む猫が多い
  • 食事にぬるま湯を加えてふやかす:ドライフードの水分量を補う

嘔吐・下痢が軽度の場合の自宅対応

1〜2回の嘔吐・下痢で元気があり水を飲んでいる場合は、2〜4時間絶食の後、少量の水分から様子を見ることができます。ただし子猫・老猫・持病のある猫は悪化しやすいため、早めに受診してください。

よくある質問

Q. 人間用のスポーツドリンクを与えても大丈夫?

A. 与えないでください。人間用のスポーツドリンクは猫に対して糖分・塩分が過剰です。どうしても電解質補給が必要な場合は、動物用の経口補水液を使うか、獣医師に相談してください。

Q. 猫が全然水を飲まない。どうしたらいい?

A. ウェットフードへの切り替えが最も効果的です。また、流し台から直接水を飲む猫には自動給水器が有効です。それでも改善しない場合、腎臓病や口腔内の問題が隠れていることがあるため、定期検診で確認してください。

まとめ

猫の脱水は嘔吐・下痢・発熱・食欲不振などで急速に進みます。皮膚テンションテストや歯茎のチェックで早期に気づくことが大切です。嘔吐・下痢が続く・水を飲まない・ぐったりしているなどの場合は迷わず受診してください。日頃からウェットフードや複数の給水場所で飲水量を増やすことが最善の予防策です。

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