猫の尿路結石症は、腎臓・尿管・膀胱・尿道にミネラルの結晶が固まって結石になる病気です。頻尿・血尿・排尿困難が主な症状で、特にオス猫は尿道が細いため結石が詰まる「尿道閉塞」になりやすく、12時間以上尿が出ない場合は命に関わる緊急事態です。結石の種類(ストルバイト/シュウ酸カルシウム)によって治療法が全く異なるため、正確な診断が必要です。
目次
結石の種類と特徴
| 種類 | 割合 | 好発年齢・性別 | 治療法 |
|---|---|---|---|
| ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム) | 約50〜60% | 若〜中年猫、メス猫にやや多い | 療法食で溶解可能 |
| シュウ酸カルシウム | 約30〜40% | 中〜高齢猫(7歳以上)、オス猫に多い | 手術または内視鏡で摘出 |
この2種類では治療法が正反対です。ストルバイトは療法食で溶かせますが、シュウ酸カルシウムは食事で溶かせないため外科的処置が必要です。自己判断でフードを切り替えず、必ず尿検査・エコー検査で種類を確認してから治療に入ります。
⚠️ 緊急サイン:すぐに病院へ
- 何度もトイレに行くが尿が全く出ない(尿道閉塞の可能性)
- 排尿時に激しく鳴く・お腹を触ると嫌がる
- ぐったりしている・嘔吐を繰り返す
- 12時間以上尿が出ていない(特にオス猫)
尿道閉塞は放置すると腎不全から死亡に至ります。「様子を見よう」は最も危険な判断です。
主な症状
- 頻尿:何度もトイレへ行くが尿がほとんど出ない
- 血尿:尿がピンク〜赤褐色になる
- 排尿困難:排尿時に鳴く・うずくまる
- トイレ外での排尿:バスマット・布団など柔らかい場所で排尿しようとする
- 過度のグルーミング:陰部を繰り返し舐める
原因
水分不足・ドライフード中心の食事
最も多い原因です。水分摂取が少ないと尿が濃縮されてミネラルが結晶化しやすくなります。ドライフードは水分含有量が約10%しかなく、ウェットフード(約75〜80%)と比べて尿量が大幅に減少します。
尿のpHバランス
ストルバイトはアルカリ性尿で形成されやすく、シュウ酸カルシウムは酸性尿で形成されやすい傾向があります。食事の内容が尿pHに大きく影響します。
体質・年齢・性別
去勢済みオス猫は尿道が細く閉塞しやすい。肥満・運動不足・室内飼いもリスク因子です。遺伝的にかかりやすい猫種(ペルシャ・ヒマラヤン・バーミーズ)があります。
診断の流れ
- 尿検査(尿沈渣・尿pH):結晶の有無・種類・pHを確認
- エコー検査:結石の位置・大きさを確認
- レントゲン:シュウ酸カルシウムはエコーより鮮明に映る
- 尿培養:細菌感染を伴う場合に実施
治療方法
ストルバイト:療法食による溶解
- ロイヤルカナン ユリナリーS/O:最もよく使われる療法食。ストルバイト溶解と再発予防に対応
- ヒルズ c/d マルチケア:ストルバイト・シュウ酸カルシウム両方の予防に対応
- ピュリナ プロプラン UR:尿pHをコントロール。嗜好性が高い
療法食で4〜12週間で溶解するケースが多いです。必ず獣医師の指示のもとで使用してください。
シュウ酸カルシウム:外科的摘出
食事では溶かせないため、膀胱切開手術または尿道を通じた内視鏡的摘出が必要です。腎臓内の結石は外科手術のリスクが高い場合、経過観察になることもあります。
尿道閉塞の緊急処置
カテーテルで閉塞を解除します。入院が必要で、重症の場合は会陰部尿道造瘻術(尿道を太くする手術)を行うことがあります。
治療費の目安
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 初診・尿検査・エコー | 8,000〜15,000円 |
| 療法食(月額) | 5,000〜12,000円 |
| 膀胱切開手術 | 50,000〜100,000円 |
| カテーテル処置(尿閉塞)+入院 | 30,000〜80,000円 |
| 会陰部尿道造瘻術 | 80,000〜150,000円 |
予防
- ウェットフードを取り入れる:水分摂取量増加が最大の予防策
- 流水式飲水器の設置:飲水量を自然に増やす
- 定期的な尿検査(年1〜2回):結晶が見つかれば症状が出る前に対処できる
- 肥満解消:適正体重の維持で全体的なリスクが低下
なりやすい猫の特徴
- 去勢済みのオス猫(尿道が細い)
- ドライフードのみで長年飼育されている猫
- 室内飼い・運動不足・肥満の猫
- ペルシャ・ヒマラヤン・バーミーズ
よくある質問
再発しますか?
ストルバイトは療法食を中断すると再発率が高いです。治癒後も継続的な食事管理・定期的な尿検査が推奨されます。シュウ酸カルシウムも再発しやすく、半年〜1年ごとのエコー検査が必要です。
療法食はいつまで続ければいいですか?
ストルバイトが溶解しても、維持用療法食(ユリナリーS/Oモデレートカロリー等)を継続するのが基本です。獣医師に定期的に尿検査をしてもらいながら判断してください。
まとめ
- 結石の種類(ストルバイト/シュウ酸カルシウム)によって治療法が真逆。必ず検査を
- 尿が出ない=緊急受診。特にオス猫は12時間が目安
- 予防の基本はウェットフード導入と定期尿検査
- 再発しやすいため治癒後も食事管理を継続する
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